Paper Copilot, TravelAgent

LLMを用いたアプリケーションに近い論文も内部動作・設計を見る上で参考になる。

  • Paper Copilot: A Self-Evolving and Efficient LLM System for Personalized Academic Assistance [14.5]
    本稿では,研究者を支援する自己進化型,効率的なLCMシステムであるPaper Copilotを紹介する。 Paper Copilotはパーソナライズされたリサーチサービスを提供し、リアルタイムで更新されたデータベースを維持する。 本稿では,Paper Copilotの設計と実装について詳述し,パーソナライズされた学術的支援への貢献と研究プロセスの合理化の可能性について述べる。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Fri, 06 Sep 2024 20:04:04 GMT)
  • 論文確認用のアシスタント
  • デモシステムはArxivCopilot – a Hugging Face Space by ulab-ai
  • TravelAgent: An AI Assistant for Personalized Travel Planning [36.0]
    大規模言語モデル(LLM)を利用した旅行計画システムであるTravelAgentを紹介する。 TravelAgentはツール使用、推奨、計画、メモリモジュールの4つのモジュールで構成されている。 我々は,TravelAgentの性能を人間とシミュレーションユーザで評価し,その全体的な効果を3つの基準で示し,パーソナライズされたレコメンデーションの精度を確認した。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Thu, 12 Sep 2024 14:24:45 GMT)
  • 旅行計画用のエージェント、構築方法など参考になる。

Can LLMs Generate Novel Research Ideas? / Can Large Language Models Unlock Novel Scientific Research Ideas?

LLMが研究のアイデアを生成できるかについての論文が2つでいた。

  • Can LLMs Generate Novel Research Ideas? A Large-Scale Human Study with 100+ NLP Researchers [90.3]
    大型言語モデル(LLM)は、科学的な発見を加速する可能性についての楽観主義を喚起した。 新しいアイデアとLLMと人間のアイデアの盲点レビューを書くことで、研究アイデアのための現在のLLM能力に関する最初の統計的に重要な結論を得る。 LLMの自己評価の失敗や世代における多様性の欠如など,研究エージェントの構築と評価におけるオープンな問題を明らかにする。 
    論文  参考訳(メタデータ)   (Fri, 06 Sep 2024 08:25:03 GMT)
  • LLMのアイデアと人間のアイデアを研究者が比較「we find LLM-generated ideas are judged as more novel (p < 0.05) than human expert ideas while being judged slightly weaker on feasibility.」とのこと。結果も面白いが「7 Limitations of LLMs
    」、「11 Ethical Considerations」の考察も興味深い。
  • リポジトリはGitHub – NoviScl/AI-Researcher
  • Can Large Language Models Unlock Novel Scientific Research Ideas? [21.2]
    大規模言語モデル(LLM)と公開可能なChatGPTは、人工知能を人々の日常生活に組み込む上で、大きな転換点となっている。 本研究は,研究論文からの情報に基づく新たな研究アイデアを創出する上でのLLMの能力について考察する。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Tue, 10 Sep 2024 03:26:42 GMT)
  • 上記と近いタイトルだが、こちらは「To address this task, we create a dataset of papers published after the year 2022 from these five domains.We annotate the papers with future research ideas.To evaluate the novelty and relevance of ideas generated by the LLMs, we propose an Idea Alignment Score (IAScore).This score reflects how well the generated ideas align with those proposed by the authors.」という方針で過去論文をもとにしている。Leakageが気になるところ。
  • リポジトリはGitHub – sandeep82945/Future-Idea-Generation

Towards a Unified View of Preference Learning for Large Language Models: A Survey

OpenAI o1

先週の最大のニュースは今まで様々なうわさがあった、OpenAI o1 Introducing OpenAI o1 | OpenAIの公開だろう。特にSTEM分野で強力な性能を発揮している。

技術的な情報は公開されていない部分が多いが、Learning to Reason with LLMs | OpenAIに書かれている「Our large-scale reinforcement learning algorithm teaches the model how to think productively using its chain of thought in a highly data-efficient training process. We have found that the performance of o1 consistently improves with more reinforcement learning (train-time compute) and with more time spent thinking (test-time compute). The constraints on scaling this approach differ substantially from those of LLM pretraining, and we are continuing to investigate them.」では自己改善・合成データ活用の流れ(self-X – arXiv最新論文の紹介 (devneko.jp)Synthetic data – arXiv最新論文の紹介 (devneko.jp))に近いのかなと思う。

開発者向けの質問回答では

  • OpenAI o-1はモデルであってシステムではない、(ユーザには見せない)長い推論過程を生成するモデルである
  • GPT-4oのプロンプトエンジニアリングによってOpenAI o-1の性能と競合することはできない
  • RAGはOpenAI o-1においても有効

など興味深い質疑があったよう。詳細の開示はないだろうが、何らかのテクニカルレポートが欲しいところ。現時点では最近の研究動向から大きく外れたものではないし、性能の改善幅や使用感からして大きな驚きはないというのが正直な感想。1モデルにするのが良いのか、システム(Agenticな動作)にしたうえでそれに対応するモデル(Agenticな動きに特化したモデルと、通常の推論に適したモデルなど)の組み合わせのほうが良いのかなど気になるところではある。o-1は前者とのことだが、外部ツール利用を考えたとき制約が大きくなりそうな気がしている。

今後、エージェント的動作を行う場合を含め様々なベンチマークで評価されているのだろうと思うが、CybenchCybench: A Framework for Evaluating Cybersecurity Capabilities and Risk of Language Models – arXiv最新論文の紹介 (devneko.jp))では「Subtasks % Solved: Percentage of subtasks solved per task, macro-averaged across the tasks.」が向上している(GPT-4oで負けていたClaude 3.5 Sonnetを抜いた)一方でSuccessRateはGPT-4oに及んでいない。

SYNTHETIC CONTINUED PRETRAINING

  • Synthetic continued pretraining [29.7]
    与えられた事実を学ぶためには、モデルは数百から数千の多様な表現で訓練されなければならない。 本研究では,より学習しやすい大規模コーパスを合成するための合成継続事前学習を提案する。 合成データ拡張アルゴリズムであるEntiGraphでこの提案をインスタンス化する。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Wed, 11 Sep 2024 17:21:59 GMT)
  • ナレッジグラフを介して合成データを構築するEntiGraphの提案。「Synthetic continued pretraining with EntiGraph demonstrates consistent scaling in downstream closed-book QA performance up to a 600M token synthetic corpus, whereas baselines such as continued pretraining on the small corpus or synthetic paraphrases show no improvement or asymptote early.」とのことで有効性を確認
  • 抽象的な「知識」を介したほうが、表現の変換よりも良い(学習に利用可能な)情報を提供できるという解釈で良いのだろうか。

From Yes-Men to Truth-Tellers: Addressing Sycophancy in Large Language Models with Pinpoint Tuning

  • From Yes-Men to Truth-Tellers: Addressing Sycophancy in Large Language Models with Pinpoint Tuning [90.0]
    大規模言語モデル(LLM)は、ユーザプロンプトへの順守を、妥当な応答よりも優先する傾向がある。 近年の研究では、教師付き微調整(SFT)を用いて、お世辞問題を軽減することが提案されている。 そこで本研究では,特定の目的のために関心のあるモジュールを調整した新しいピンポイントチューニング(SPT)を提案する。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Tue, 03 Sep 2024 07:01:37 GMT)
  • 「When challenged by users, LLMs tend to admit mistakes and provide inaccurate responses even if they initially provided the correct answer.」というSycophancyへ対応するためピンポイントなチューニングを適用
  • 「The proposed pinpoint tuning consists of two steps: ➀: “diagnose” for where in the network attributes to the sycophancy; ➁: precisely optimize the pinpointed components to improve the performance.」とのことだが、いろいろ有効そうな場所が多そうなアプローチ

OLMoE, Reflection-70B, Tanuki-8×8B, 8B

OSSまたは公開モデルのLLM開発は引き続き盛んである。

OLMoE-1B-7BはMoE構成の小規模・高性能モデル(リポジトリ:allenai/OLMoE-1B-7B-0924 · Hugging Face、Apache-2ライセンス)で論文も公表されている。

Reflection-70Bは現時点で最高レベルの性能をもつ公開モデル(リポジトリ:mattshumer/Reflection-Llama-3.1-70B · Hugging Face、Llama 3.1ライセンス)、現状詳細は公開されていなさそうだが、「Reflection Llama-3.1 70B is (currently) the world’s top open-source LLM, trained with a new technique called Reflection-Tuning that teaches a LLM to detect mistakes in its reasoning and correct course. The model was trained on synthetic data generated by Glaive.」との記載がある。

日本でも東京大学松尾・岩澤研究室 GENIACプロジェクトにおいて、大規模言語モデル「Tanuki-8×8B」を開発・公開 | 東京大学松尾・岩澤研究室(松尾研)- Matsuo Lab (u-tokyo.ac.jp)が発表されているのが素晴らしい。こちらは開発過程が大規模言語モデルTanuki-8B, 8x8Bの位置づけや開発指針など (zenn.dev)で公開されている。合成データの活用は最近発表された海外モデルでも多用されているテクニック。

  • OLMoE: Open Mixture-of-Experts Language Models [180.2]
    OLMoEは、Sparse Mixture-of-Experts (MoE)を利用した、完全にオープンで最先端の言語モデルである。 OLMoE-1B-7Bは70億(B)のパラメータを持つが、入力トークンごとに1Bしか使用しない。 5兆のトークンで事前トレーニングし、さらにOLMoE-1B-7B-インストラクトを作成するように適応します。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Tue, 03 Sep 2024 17:08:20 GMT)
  • Reflection-Tuning: Data Recycling Improves LLM Instruction-Tuning [79.3]
    トレーニングセットの低品質データは、通常、チューニングのチューニングに有害である。 我々は「反射チューニング」と呼ばれる新しい手法を提案する。 このアプローチでは、オラクルLSMを使用して、データ内の命令や応答の質を検査し、向上することで、元のトレーニングデータをリサイクルする。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Wed, 18 Oct 2023 05:13:47 GMT)
  • Selective Reflection-Tuning: Student-Selected Data Recycling for LLM Instruction-Tuning [39.7]
    最近の多くの手法はデータ品質の改善に重点を置いているが、学生モデルとの互換性を見落としていることが多い。 本稿では,教師のLLMのリフレクションとイントロスペクションを相乗化して既存のデータ品質を改善する新パラダイムであるSelective Reflection-Tuningを紹介する。 この教師と学生の協調作業により、高品質で生徒互換の授業応答ペアが作成され、結果としてサンプル効率のよい指導チューニングがもたらされる。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Fri, 07 Jun 2024 20:23:21 GMT)
  • リポジトリはGitHub – tianyi-lab/Reflection_Tuning: [ACL’24] Selective Reflection-Tuning: Student-Selected Data Recycling for LLM Instruction-Tuning

Symbolic Working Memory Enhances Language Models for Complex Rule Application

  • Symbolic Working Memory Enhances Language Models for Complex Rule Application [87.3]
    大規模言語モデル(LLM)は、顕著な推論性能を示しているが、多段階の推論に苦慮している。 本稿では,外部ワーキングメモリを用いたLLMの拡張と,ルール適用のためのニューロシンボリックフレームワークを提案する。 当社のフレームワークは,LLMベースのルール実装とシンボリックルールグラウンディングを反復的に実施する。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Sat, 24 Aug 2024 19:11:54 GMT)
  • LLMが苦手とするルールを適用していく多段推論に対応するため作業領域を用いる手法の提案。「We implement this working memory to store rules and facts in both natural language and their symbolic forms (i.e., in Prolog), thus supporting precise symbolic reference.」とPrologのような形式を併用するのが特徴的。
    • 人でもこの手の疑似コードを使うことを考えると、他のタスクでも有効かもしれない。
  • リポジトリはGitHub – SiyuanWangw/RuleApplication

Can Unconfident LLM Annotations Be Used for Confident Conclusions? 

  • Can Unconfident LLM Annotations Be Used for Confident Conclusions? [34.2]
    大規模言語モデル (LLMs) は、様々なタスクにおいて、人間と高い合意を示してきた。 信頼性駆動推論(Confidence-Driven Inference)は、LCMの信頼度インジケータを組み合わせて、どのアノテーションを収集すべきかを戦略的に選択する手法である。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Tue, 27 Aug 2024 17:03:18 GMT)
  • LLMと人間が手分けしてアノテーションをする状況下で、LLMのアノテーション及びLLMの信頼度を使って人間がやるべきアノテーションを選択する手法の提案。「We demonstrate the effectiveness of CONFIDENCE-DRIVEN INFERENCE over baselines in statistical estimation tasks across three CSS settings—text politeness, stance, and bias—reducing the needed number of human annotations by over 25% in each.」とのこと。
  • リポジトリはGitHub – kristinagligoric/confidence-driven-inference

Cybench: A Framework for Evaluating Cybersecurity Capabilities and Risk of Language Models

  • Cybench: A Framework for Evaluating Cybersecurity Capabilities and Risk of Language Models [33.2]
    Cybenchは、サイバーセキュリティタスクを特定し、それらのタスク上でエージェントを評価するためのフレームワークである。 エージェント能力を評価するために,gpt-4o,claude 3 opus,claude 3.5 sonnet,mixtral 8x22b instruct,gemini 1.5 pro,llama 3 70b chat,llama 3.1 405b instructの7モデルを評価する。
    論文  参考訳(メタデータ)   (Thu, 15 Aug 2024 17:23:10 GMT)
  • CTFコンペから抽出したタスクをLLMが解けるかのベンチマーク。ガイドなしだとまだまだ難しそうな感じ。閲覧時点ではClaude 3.5 Sonnet > GPT-4o > Claude 3 Opusで、オープン系のLlama 3.1 405B Instructは商用モデルに比べてかなり性能が低い。
  • リポジトリはCybench